春採に現れた胸白ガラスのムナジロウ。奇しくもこの5月に熊野那智大社にて那智大社の牛王符(烏牛王)を買ってきました。古代から伝わる烏文字です。いつも見てみたいのがワタリガラスです。オオガラスともいいます。世界中の神話の中でカラスは重要な役割をしています。それがワタリガラス。たぶん道東にも来ると聞いたことがあります。今年は真剣に探してみます。あとCWニコルの面白い話を見つけました。前回書いたカルロス・カスタネダの「呪術師と私」と共通する話です。

連載 オオガラスの物語から引用 是非このサイトを訪れてみてください。オオガラスの声も聞けます。なかなか美声。
C.W.ニコル
第一話 チュルガック

「あれはおまえの”魂の兄弟”、守護霊だ。」
とイヌイットの老人は言った。
北極、アフリカをはじめ世界の先住民を訪ねて歩いたニコル氏。そのきっかけを作ったともいうべき貴重な体験談。

物心がついたときからカラスの一族はいつも身近な生き物だった。だが、彼らが自分の人生にとっていかに大きな存在かを知ったのは、今を去る一九五九年、カナダ北極地方へ二度目の遠征に出かけた折だった。
その日、私はイヌイットの老狩人と二人、カヤックでアザラシ漁に出ていた。点々と流氷の漂う海は波一つなく、穏やかだった。すると、陸のほうから飛んできたワタリガラスが一羽、私たちの頭上で三度輪を描くや、鈴の音を思わせる澄んだ声を響かせたのだ。これには思わず、目を丸くした。それまで、カーカーという耳障りな鳴き声しか知らなかったからだ。イヌイットの老人は空を仰ぐと、そのカラスを指差して言った。
「あれはチュルガック、おまえの魂の兄弟、”守護霊”だ。あのカラスは、おまえにそれを教えに来たのだ」
これから先、カラスと名のつくものを傷つけたり食べたりすることは決してしてはならん、と老人は言ったものだ。空を舞う者、枝先で羽を休める者、餌をついばむ者、彼らの姿には常に気を配り、カラスたちが何を見つめ、どんな話をしているのか、その声に耳を傾けろ、と。もしもカラスのいない土地に暮らしたりすれば、私の魂は力を失い、必ずや病を得て、生命すら落としかねない――との忠告も受けた。
実を言えば、イギリスにいた時分、私はたくさんのカラスを手にかけていた(ただしハシボソガラスの類だけで、ワタリガラスを撃ったことは一度もない)。地元では、カラスは作物を荒らす”害獣”と考えられていたからだ。おまけに、ミヤマガラスのパイと言えば、あちらでは伝統的な田舎料理の一つ。巣立ちの時期を迎えた若いカラスの胸肉を使ったパイには、この私も舌鼓を打ったことがある。だがその一方では、少年時代、コクマルガラスをペットにしていた。どれもよく慣れて、人間様そっくりにしゃべる芸まで身につけていたものだ。もちろん、北極での出会い以降は、一度たりとも〃兄弟〃を傷つけたりはしていないし、研鑽の甲斐あって、今ではその土地土地のカラスの方言さえ聞き分ける自信がある。

About MORIKAWA

1960年生まれ 北海道移民150年目 (株)オイコス 代表取締役 北海道道釧路市在住 趣味 シーカヤック 自転車 野営 たき火  中小企業家同友会 政策副委員長

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