雪があっても、春の匂いがしてきた。職場の仲間を招いてパーティを開く。メインはロースト・チキン。ダッジオーブンを手に入れてから作ることが多い。解凍し血を洗い、少し寒気触れさておいて、下ごしらえ、腹の中にはニンニクと冷凍ピラフを詰める。冷凍ピラフはちょっとズルだけど、美味いので詰める。外側には人参とじゃがいも、玉ねぎ、きのこ、再びニンニク等。

ローストチキンは特別な来客や子どものために作ることが多い。したがって自分が満足に食べた記憶はあまりない。パリっと皮が焼けた背中や、もも肉、胸肉など人に切り分けても自分の口に入ることは少ない。いつか一羽まるまま食べてみたいと思うが、ダッジオーブンでローストは自分のために作るには面倒な作業だ。

ダッジオーブンを使って、蒸し鶏という手法がある。これはほとんどローストと同じだが、火にかける時間と、ローストがフィッシュで蓋を少し開けて水分を飛ばすのだが、こちらは最後までミストサウナのままだ。具は一切いれない状態で鶏を蒸す。蒸されると鶏は脂とエキスを放出し、肉本体は脂が落ち良質なタンパク質となる。鶏を取り出して、そのエキスでラーメンスープを作る。肉は骨から簡単にはずれる状態で肉と骨を分離する。塩コショウをしてそれをツマミにしてビールを飲みながらラーメンスープを作る。もちろん塩味だ。これもズルして華味で簡単に創るが、ニンニクは大量投与する。麺は釧路の細麺、ちぢれ麺。道東製麺製の麺を茹でる。煮だったお湯に入れて沈んだ麺がふわっと浮き上がったら完成だ。ラーメンの具はさっきの鶏肉、ネギ、メンマ。持参のラーメン丼ぶりで食べる。この作業をキトウシやチミケップ、屈斜路湖のキャンプ場で作ったことがある。薄暗いキャンプ場の炊事場へ歩く人たちが足を止めて「いい匂い」「ラーメン屋の匂いだ」というのに優越感に浸った記憶がある。けど、最近は後片付けの面倒くささに再現は難しいラーメンでもある。

食料と日程の余裕は絶対必要だ。予備日のない日程では事故が起きる。無理をするからだ。食料に余裕のないツーリングも精神的にも肉体的にもよくない。そして水も重要だ。体の乾きは精神の乾きにつながる。特に塩水のそばにいるだけで水分が失われる感じがする。水分も二日分のくらいの予備は持ちたい。パッキングにはジップロックと新聞紙が大活躍する。パスタ、カレー、焼きそば、魚肉ソーセージ、そば、ラーメンなど。とにかく長時間の運動でカロリーを消費しているため、食事はとても大切だ。

自転車を始めて補給食の考え方が変わった。パワーバーとの出会いだ。それまでは朝をしっかりと食べて、ナッツ類やチョコレートや菓子パンを携行食としてだらだらと食べながら漕いでいた。しかし、このパワーバーは食べる時間を調整しながら補給することで、体力を保ちながら一日中漕ぐことが可能だ。これを携行食と予備食にすることで持っていく食材の量はかなり減らすことが可能だ。食べ物としての最も大切な資質を備えているが、味覚に関しては?だ。これは名前のとおりパワーバーであり、味がどうのこうのではない。食べた瞬間にパワーがみなぎる感じがする。

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今日は阿部さんです。弟想い、可愛らしい内容です。

2009年のシルバーウィークに9回目の遠征を行った。同行者はシーカヤックツーリングは初めてだが、今回私にアリュートパドルを半年もかけて制作しプレゼントしてくれた親友だ。岩見沢からJRにのり釧路までやってきた。私の仕事が終わり次第、羅臼へ向かう。羅臼ではいつもどおり、食べ処「いわみ」に投宿する。いわみには絵本作家の関屋が個展のため滞在していた。一度寝たはずの関屋さんが酒盛りに参加して酒宴が盛り上がる。

就寝は午前1時をまわり、起きたのは午前4時、やれやれ、いつも寝不足か・・
相泊まで車を飛ばし、海況をみると風もなく穏やかだ。これなら一気に岬を越せる。1時間ほどかけて、車から装備品、食料をカヤックに積み準備をする。
大きな不安は、台風14号「チョーイワン」が太平洋沖を直進している事だった。直撃はないものの、勢力が大きい分うねりが入ることが予想できた。今日は出発できた。天気図に記入できても、等圧線が引けないのでおおよその予測しかできない。しかし、予備日はたっぷりとっているし、食料も水もがたくさん積んだので心配はない。必ず戻れる。
もうひとつの不安要素は羆。我々と前後してちょっとした事故があった。岬を目指すトレッカーのテントが不在中に羆に荒らされたらしい。これは憂慮すべき事だ。人を恐れなない羆が確実に増えていることだ。
ともあれ迫り来る台風の下、親友を載せて9月の遠征は開始された。
朝6時から漕ぎ出し、岬を9時半に超えて11時には落合湾に到着した。

オホーツクの海 沈む夕陽 この日の海は穏やかだった。夜は焚き火にあたり、ウヰスキーを飲みながら星を見た。翌朝大変な事になっているとも知らずに・・・・

初日は落合湾に泊まった。三方を断崖に囲まれ海に面しており、なんとなく安全な気がするが熊はどこにでもいる。


翌日目覚めると海の様相は一変していた。台風は東に逸れたのだが、台風由来のうねりと風が強く大荒れの様相を呈している。判断として正しかったかは結論はでないが、二時間漕ぎ、隣の霞の番屋(カパルワタラ)まで移動した。放心状態の僕たちの前に、目的地ウトロ方面の海況がこれだ。残念ながら写真では迫力は伝わらない。沖から入り波力のつよいうねりが入ると、爆雷が炸裂したように水柱が立つ。風が舞うときは渦巻が何本も海面を走る。翌日も出ることができず、友人と二人、朝からウィスキーを舐める。しかし、ウィスキーの残りも乏しくなり、荒れ狂う海を眺めていた。すごい光景を見ていた。人間の力など及ばない偉大なる力の片鱗。すべてを無に帰す慈悲の心。

一日停滞して、まだ風強くうねりの残る海を8時間漕いで、親友の知床初遠征は終わった。彼は知床に何か大切な「もの」を忘れてきたようだと言う。それは、知床に心奪われし者共通点。だから、失ったものを求めて生きたくなる。知床を廻り、家に帰った時の異和感。テント生活、必要最小限で暮らしてきたのに、あふれるばかりのモノ、十分すぎる食料、水。熊にも天気にも怯えない街。

トルネード、竜巻 あの中心に入ったらどうなるのか?興味の尽きないところだ。羅臼の礼文町を車で走っているとき偶然見つけた。
生きている!これは生き物だ。荒野に吹く風は人を消耗させるため、そのターゲットについてまわるという。カヤッキングの途中でこれに出くわしたならあっという間にひっくり返されるのだろう。この礼文町は風の強いところだ。やはり北東の風が吹くときは充分注意しなくてはならない。

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釧路ではまだ早いですが